放射能と理性

  ♪放射能と理性』の著者オックスフォード大学名誉教授
ウェード・アリソン博士が外国人特派員協会で行った講演につきまして
前にご紹介しました。

今回、アリソン教授へのインタビューが YouTube に載っているのをみつ
けましたのでご紹介します。

  http://www.nicovideo.jp/watch/1320133054

ご覧いただけばそれこそ一目瞭然ですが、いくつか博士が強調している
ポイントをご紹介します。

 ・今福島で起こっている問題は、被曝自体ではなく、被曝への恐怖で
ある。

行政は住民を原発から隔離して安全にしょうとしているが、隔離するこ
とが住民を苦しめている。行政の責任だが、そのもとになっているIC
RP(国際放射線防護学会)の勧告が間違っていることが大きな問題で
ある。

CRP勧告は、可能な限り低いレベルに抑えるという考えで出された
ものである。ALARA(合理的に達成可能な最低基準)であり、安全
レベルではありえない。

安全レベルとは、深刻なリスクなしにどこまで高い放射線が許されるか
ということである。人間の放射能被害を修復する機能の最新研究からす
ると、100ミリシーベルト/月、1200ミリシーベルト/年というあたりは、
安全と考える。福島の人々は全員帰宅させるべきである。

日本政府が国際基準に逆らう事は出来ないかもしれないが、私は英国で
アカデミックな圧力をかけて行くことを考えている。ICRPの馬鹿げ
た基準は変えなければならない。

LNT仮説は、現在広く行われている放射線医療の現場で基本的に否定
されている。

5ミリシーベルト/年以上の土壌を除染するなどというバカげたことが
行われようとしている。これは常識の問題である。変な答えが出て来た
時には、問題自体が間違っていると考えるべきである。

今回の事故で原発の安全性は証明された。全ての原子炉はM9の地震
耐える能力があることが証明されたからだ。津波で一つの原発の弱点が
見つかったということでありこれは大変印象的なことである。チェルノ
ブイリと比べると明らかな違いである。

あれはソ連崩壊で起きた悲劇であった。

非常に重要なポイントが、イギリスの代表的な素粒子学者によって指摘
されているわけです。根拠のない放射能恐怖症におどらされるのではな
く、このような理性の声に耳を傾けるべきでしょう。(茂木弘道

宮崎正弘の国際ニュース・早読み」読者の声 から転載