パンダ来日(仙台)決定で青少年への「反中啓蒙運動」を!

ブログでは関連写真も↓
http://mamoretaiwan.blog100.fc2.com/blog-entry-1733.html

■日中首脳会談の成果が「パンダ」とは

野田佳彦首相が十二月 に中国を初訪問。胡錦濤国家主席温家宝首相との個別会談では、懸案とする東支那海のガス田開発に関する条約締結交渉について回答を得られず、また半島情勢に関しても、拉致問題解決での協力の確約すら得られないなど、「いったい何のために行ったのか」と聞きたくなる。

そもそも中国側は、日本とそれらの問題で話し合おうなどと思っていないのだ。しかしそれでも、野田首相の来訪を歓迎した。それはもちろん、昨年の尖閣沖での漁船体当たり事件以来冷え込んできら日中関係を改善するためだ。

野田首相尖閣諸島の領有権の問題や、中国海軍の東支那海、西太平洋進出強化の問題を一切提起できなかったのも、そうした中国側の姿勢に押されてのものと見られている。

共同はこう報じる。

「中国では来年秋に指導部が交代する共産党大会を控える。日中関係悪化が社会の不安定化を招くことを懸念しており『国交正常化40周年を名目に、中国の対日感情を改善させ、人事に悪影響が出ないようにするのが首相招待の最大の理由』(中国外交筋)」

一方次のような報道も。

「中国の対日政策は、オバマ米政権の「アジア回帰」をにらんだ戦略的な対応の一環でもある。中国に対米けん制の思惑があることは留意しておきたい」(日経)

「中国が予想以上の対日接近を図ったのは、オバマ米政権の対中包囲網形成の動きを前に、日米同盟にくさびを打ち込み、日本を引き寄せる作戦に転じたものだ」(産経)

かくして中国側は日中国交樹立四十周年に向けた友好ムードの醸成ばかりに力を入れた。そのため仙台市の要望を受けた形で野田首相が求めていた「仙台へのパンダの貸し出し」について温家宝氏は「積極的に検討する」とし、貸与を約束した。

中国を恐れる政府は対中関係の改善に必死である。藁をも縋る気持ちで、この「パンダ」の効果に期待を掛けていることだろう。

仙台市のパンダ誘致は中国側の仕掛けか

それにしても懸案事項を先送りにされるなか、収穫は日本国民籠絡の「武器」としてお馴染のパンダだった、という訪中の結果に、やはり「何のために行ったのか」と嘆きたくなる。

しかしこれに大喜びなのが仙台市だ。奥山恵美子市長は「お正月を前に、子供たちに大きなお年玉をいただいたようで、とても嬉しい」と話していた。

同市は東日本大震災の被災地の子供たちを励ますため、あるいは観光客誘致のため、市内の八木山動物公園への誘致を目指してきたが、その背景には、震災を奇貨とし、被災地支援で日本国民の心を?み、両国関係を改善させようと狙う中国の意思が、はたしてどれだけ反映されているのか。

五月二十一日、来日した温首相が被災地慰問のため、宮城、福島両県を訪れた時、同首相からパンダの縫いぐるみを贈られ、大喜びする子供たちの姿を見た奥山市長が、本物のパンダの誘致を思いついたと言われる。

また、駅で温首相を出迎え、握手された地元の少女が書いた礼状に、同首相が親しく返事を書き、少女を感激させたことが、中国では日中友好の美談として大きく報じられたが、その際、少女の手紙の中に「中国が好き。パンダが好き」と書かれていたことも話題にされた。そしてこのことが、パンダ誘致の構想を生んだとも言われている。

温首相の被災地慰問が、日本籠絡工作だったことは間違いないが、それがきっかけで誘致話が浮上したのは確かなようだ。

そしてもしこの話が、中国側が仕掛けたものであるなら、今回の温首相による貸与の約束は、最初から予定されていたことになる。

ちなみに日中両国政府はこれを「来年の日中国交正常化40周年の目玉にする考え」(朝日)だそうだ。

■なぜか万全すぎる日本側の受け入れ体制

ところで仙台市にとっての問題は、パンダ受け入れで発生する巨額の費用の問題だ。被災地再建を最重要課題とする同市が、一億円に近いレンタル料のほか、獣舎建設や飼育の費用を負担することに、市民から反撥はないのか。

そこへ救いの手を差し伸べて来たのが、震災支援への感謝を名目に、SMAPの北京公演を行うなど、中国進出に乗り出している芸能プロダクションのジャニーズ事務所だ。そうした費用をすべて調達すると申し出たのである。

同事務所所属の近藤真彦氏は十二月二十二日、訪中を三日後に控える野田首相を訪ね、パンダ誘致を求める子供たちの署名を手渡してもいる。近藤氏には仙台市の伊藤敬幹副市長と八木山動物公園長も同行した。

このようにみると、中国側の仕掛けを受け、日本側はすでに万全のパンダ受け入れ体制を作り終えているのではないかと思えてくる。何かと批判が多いパンダレンタルが世論に受け入れられるよう、環境作りの「芝居」を見せられている気もしないではない。

かくして日本国民の対中感情の改善を目指すことで一致している日中政府の合意の下、パンダが仙台へやって来ることとなったわけだが、中国への警戒心を奪うパンダの「危険性」を知る国民は、これにいかに対処するべきか。

■反中運動拡大のチャンスに

私は「大歓迎」していいと思っている。来日したパンダが全国のい子供たちから注目を集めているところを指さしながら、「パンダはチベットの動物。これが中国の動物と誤解されるは、チベットが中国の侵略と殖民地支配を受けているから」と子供たちに訴える啓蒙活動を全国に押し広げればいいのだ。

これが効果ないはずがない。春に上野動物園でパンダの公開が始まった時、「頑張れ日本!全国行動委員会」が同園の内外で、そのように訴える活動をした時、どれほど多くの親子が関心を寄せて来たことか。

目指すは「パンダはチベットの動物」を国民常識にすることだ。これによって国民の対中警戒心はますます高いものになるばかりか、チベット解放問題への関心も高まり、そうした「国民世論」はそのまま、中国覇権主義への「攻撃兵器」となることだろう。

そのような意味で、パンダの到来を歓迎したい。

なお野田首相と温首相は来年を「日中国民交流友好年〜新たな出会い、心の絆」とすることで合意した。青少年を中心とした国民交流を全面的に推進することになるそうだが、これから日本国民が本格的に「出会う」のは中国の軍事的脅威なのである。


中国の東支那海への勢力拡大問題を棚上げして何の「友好年」か

そうしたことも青少年に伝えながら、来年を中国を主とし日本を従とする不正常な「心の絆」を断ち切る運動を全国国民が展開する年にするべきだ。

もちろんそこには、中国の傀儡のような民主党政権打倒の運動も含めなければならない。

                                                                                                                                                              • -

過去の関連記事
(日本のパンダ問題)
パンダ―暴力国家の「親善大使」を拒否せよ 08/05/10
http://mamoretaiwan.blog100.fc2.com/blog-entry-369.html
実践家の知恵が生んだレンタルパンダ拒否運動 08/06/14
http://mamoretaiwan.blog100.fc2.com/blog-entry-402.html
上野「パンダ貸与」問題のその後ー中国を抑止する国民の良識 09/01/23
http://mamoretaiwan.blog100.fc2.com/blog-entry-632.html
隔世の感あり―「パンダ外交」工作が通用しなくなった日本 09/04/03
http://mamoretaiwan.blog100.fc2.com/blog-entry-711.html
反対世論の虚を衝いてパンダが上野にやってくるー「中国幻想」から子供たちを守れ 10/01/16
http://mamoretaiwan.blog100.fc2.com/blog-entry-1023.html
中国「パンダ謀略外交」に口を閉ざしたフジテレビの最終判断―台湾人の証言削除 11/02/12
http://mamoretaiwan.blog100.fc2.com/blog-entry-1423.html
上野のパンダを「中国のチベット侵略の犠牲」のシンボルに! 11/02/22
http://mamoretaiwan.blog100.fc2.com/blog-entry-1432.html
上野商店街を前に「パンダ=チベットの悲劇」を訴えよう/面白い展開が期待される2・26山手線国民ラリーに参加を! 11/02/23
http://mamoretaiwan.blog100.fc2.com/blog-entry-1432.html
「トロイのパンダ」を逆利用しよう!中共の侵略主義を暴く宣伝キャンペーンを! 11/02/25
http://mamoretaiwan.blog100.fc2.com/blog-entry-1434.html
公開初日に「パンダはチベットの動物!」と上野動物園で訴えた 11/04/02
http://mamoretaiwan.blog100.fc2.com/blog-entry-1467.html
上野動物園前の「パンダはチベットの動物」アピールは効果抜群(付:チャンネル桜の報道動画) 11/04/05
http://mamoretaiwan.blog100.fc2.com/blog-entry-1471.html
仙台市のパンダ誘致は「温家宝・訪日美談」の続きか/反対運動で中国侵略主義の実態を子供たちに  11/10/19
http://mamoretaiwan.blog100.fc2.com/blog-entry-1670.html 

(台湾のパンダ問題)
中国の危険な贈り物―パンダ 07/04/18
http://mamoretaiwan.blog100.fc2.com/blog-entry-60.html
中国パンダ外交の本領を「対台湾」に見る 08/06/06
http://mamoretaiwan.blog100.fc2.com/blog-entry-394.html 
台湾人は反「パンダ」運動で世界の注目を 08/09/10
http://mamoretaiwan.blog100.fc2.com/blog-entry-497.html
パンダを中国の悪意の象徴にせよ 08/12/25
http://mamoretaiwan.blog100.fc2.com/blog-entry-603.html

メルマガ「台湾は日本の生命線」から転載