防衛省が尖閣奪還の戦争シナリオーしかし民主党政権では戦えない
メルマガ版「台湾は日本の生命線!」より引用
産経新聞(五月九日)によると、防衛省は昨年十二月に策定の「防衛計画の大綱
」に基づいて自衛隊の警戒監視・機動展開態勢などの強化策を検討するにあたり
、尖閣諸島が中国に占領されるシナリオを作成していた。
それは次のようなものだ。
1、漁民を装った中国の海上民兵が尖閣に不法上陸。沖縄県警が尖閣に乗り込み
、入管難民法違反の現行犯で逮捕。海上保安庁の巡視船も周辺海域に展開。
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2、中国は対抗して国家海洋局の海洋調査船「海監」を派遣。海保巡視船では排
除できないと判断し、海上警備行動発令で海自艦艇、航空機が出動。中国は「日
本が不当な軍事行動を仕掛けてきた」と国際社会にアピール。
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3、中国が海軍艦艇を投入。海自艦艇などは武力衝突に発展するのを恐れ海域を
離脱。警察官も撤収。間隙を突くように中国は米空母の介入も防ぐため、宮古島
や石垣島に武力侵攻する。この段階に至り防衛出動を発令、海・空自の艦艇や航
空機を集結させ、米軍も展開する。陸自部隊は奪還作戦に入る。
以上のようなものだ。三自衛隊はこのシナリオに基づき、態勢を見直す方針だと
いうのだが、本当に中国軍は尖閣に手を出すのだろうか。
「絶対に尖閣と沖縄を取ろうとする」と断言しているのは、作家の喜安幸夫氏だ
。
同氏は時代小説家であると同時に、前台湾週報編集長として知られるように台湾
史研究家であり、東アジアの安全保障問題の専門家でもある。近年は日本への戦
略提言書ともいうべき日中戦争題材のシミュレーション小説を何冊も書いており
、最近も『日中海上決戦 尖閣・沖縄侵攻を阻止せよ』を上梓したばかりだ。
その刊行記念もかねて五月八日には、我が台湾研究フォーラム定例講演会で「日
中対立―日本がとるべき道」と題する講演してもらったのだが、そのなかで同氏
は、必ず中国軍は尖閣、沖縄を奪いに来る理由をこう語った。
―――中国海軍は二〇〇〇〜二〇一〇年まで沖縄、台湾、フィリピンを結ぶ第一
列島線まで進出し、そこまでの海域を内海にする計画(計画は遅れているが)。
その入口を占めるのが尖閣。二〇二〇年までに小笠原諸島、グアム、インドネシ
アを結ぶ第二列島線まで進出。日本を丸ごと呑み込むこととなる。
そしてその中国にとり、「日本に中国へ朝貢するような民主党政権ができたこと
は最大のチャンス」であり、「攻勢をかけてくるのは必至だ」というのだ。
何しろこの政権は「戦争をしたがらない」。そこで中国は「沖縄トラフまでは中
国の海だと主張し、それを固めようとする」だけでなく、「沖縄は中国のものだ
と正式に主張することは間違いない。すでに今では中国のメディア、学者など民
間を使って主張し始めている。あの国の民間の主張は政府の主張なのだ」という
。
「琉球は中国に朝貢していた。だから中国のものだとの主張だ(薩摩にも従属し
ていたことは無視)。明治政府は琉球を勝手に領土の組み入れた。さあ返せ、と
言い出すだろう」と断じていた。
そして「日中の戦争は大規模なものにはならない。小競り合いが続き、日本が引
き続け、中国が次々と島を占領し、こうした事実を積み重ねて行くのではないか
」との分析も。
この八日には南西諸島防衛の強化の一環として北沢俊美防衛相が宮古島を訪ね、
同島以西の先島諸島への陸自部隊配備に向けた調査を進める方針を下地敏彦宮古
島市長に伝えた。
下地市長は尖閣諸島について「宮古からも漁業者が行っている。操業の安全は切
実な願い」として、海域の安全確保を求めた。北沢防衛相は「第一義的には海上
保安庁が職務に当たるが、それ以上のことになったときに我々の存在が安心感を
与える」となどと話しているが、本当に大丈夫か。
喜安氏が民主党政権は「戦争をしたがらない」というのは、これが中国の前では
とても臆病な政権だからだろうが、その臆病さは東日本大震災への無責任で無為
無策な対応からも十分に証明されている。
要するに国家、国民より自己利益の確保で精一杯なのである。中国の脅威は拡大
一方だというのに、国民はいつまでこんな政権を戴き続ける気か。