あまりにも無策な政府の為替政策

メルマガ 甦れ美しい日本 より引用

井上政典  

 円高が止まりません。東日本大震災でこれだけダメージを受けている日本の円がこれまで上がるとは、誰も予想だにしなかったでしょう。原因はアメリカの借金の債務不履行懸念だそうですが、政府を見ても何も手を打っていません。

 円高、円安どちらにしても、両刃の剣で長短があります。でも、その長所を引き出して日本国民の国益に合った政策をしていくのが、政権与党の責任だと思います。

 菅が辞めないから何もできないという前に、それぞれの大臣が自分の責任の範囲できちんと仕事をしていれば、こんな無策はおきないのではないでしょうか。

 私は歴史と観光をメインに仕事をしているため、政府の観光戦略をよく見ていますが、溝畑観光庁長官はCHINA人のビザを緩和して、潜在的不法滞在者を大量に入国させていますし、韓国からの観光客を呼び込もうと躍起になっておられます。

 でも、これだけ円高が進むと、誰が日本に来るでしょうか?目の前の事象だけを見つめても、実際に効果がないのです。政府高官はきちんと世情の分析を行い、世界からお客様をお呼びするために必要な為替の推移くらいしっかりと把握しないといけないのではないですか。

 中国高速鉄道の賠償金が日本円にして約600万円。異例の高額賠償金だと騒いでいますが、日本だったら少なくても5000万以上ではないでしょうか。CHINAはまだ国民一人当たりのGDPが十分の一の国です。そういう国民が日本に来てもわいわいがやがやで周りの顰蹙をかい何の経済効果をもたらしません。逆にCHINA人観光客や韓国人観光客が泊まるホテルを日本人の観光客は敬遠しているのが実情です。

 経済学者たちの解説をみても、まだまだアメリカの赤字状況は改善せず、円高傾向が続くといわれています。そうならば、それに見合った対策を講じるのが政府の仕事だと思います。

 観光戦略に限って言えば、休日マイカーの1000円高速が終わって、各地の観光地のお客さんは減ったそうです。先日行った宮崎県では、東国原さんが知事を辞めてから、県庁への観光客が皆無となり、それに準じてその他の観光地も観光客が激減していました。

 これを打開するためには、今度は観光バスの高速料金を一律1000円にすれば、大量の日本人観光客が各観光地に出かけ、その土地の経済振興に役立つと思います。旅行会社とコラボして、歴史的な場所へのツアーを企画しても観光バスの高速料金が高いためにどうしても参加費が高額となり、集客に苦労します。

 もし、こういう国内の日本人を対象とした観光政策をとれば、国内の需要である程度は賄え、そして円高であろうと気にしないCHINAや世界の富裕層を日本に誘致するようにするのが得策だと思います。

 観光に限ってもこのような円高対策がでてくるのに、今の民主党政府は菅直人の無能ぶりを隠れ蓑にしてなにもしていない。つまり、菅直人だけが無能ではなく、民主党政府全体が無能だと言っていることと同じことではないですか。

 この円高の時期に、天然ガスの買い付けをしているのでしょうか。原発が使えない今、日本が誇る高性能の火力発電設備を各地に建設するのも内需拡大につながり、ひいてはそれが復興の大きな原動力になるはずです。

 国会議員諸君、菅直人をやめさせる努力もしながら、国民を守る仕事もおろそかにしてはなりません。円高のメリットを十分に享受できるようにするのがあなたたちの仕事ですよ。

 テレビ局も、円高=海外旅行が行きやすくなるという低脳なことを言っていては誰も見向きもしなくなります。円高だからこそ、こういう政策をするべきだと提言する番組があったも良いのではないでしょうか。

 ほとんどの政治家は自分為のパフォーマンスに明け暮れ、国民不在の不毛な戦いを日夜国会で繰り返しています。いまこそ、きちんとした政策を打ち出せる議員が国民の信頼を得ることができるのです。それをわれわれ国民もきちんと見ていかなければなりません