九電の原発推進メールに関して報道について

メルマガ 甦れ美しい日本 より引用

井上政典  

 さすが市民派の出身の菅直人だ。大衆に受けると思うことは仇敵であろうが、何であろうがどんどん取り入れる。小泉氏が田中真紀子を更迭して支持率が低迷した時に、電撃訪朝し支持率を上げたことを思い出してか、中井はまぐりを密使として北朝鮮に使わしたと先日書きました。

 そのとき、小泉も寝業師山崎拓氏らを使ったと聞いています。だてに裏献金や利権ばかりのために繋がっていないことをちょっと役立ててもらいました。中井もそのような利権やつながりがあるのでしょうか。

 この市民派菅直人は、どこの市民か良くわからないが、よく市民代表といってしゃしゃり出てくる人たちの代表だけあって、弁は立つし、見た目もよく、それによって多数の善良で人を疑うことをしない日本人を欺いた。

 この市民と名乗る人たちが活躍した九州電力のやらせメール事件の報道がどうしても理解できない。九電側が自分たちの有利になるようにと子会社に通達をだし、原発容認の意見になるように持って行ったと鬼の首を取ったようにマスコミが叩いているが、もうひとつの側面の指摘を忘れているように思えてなりません。

 私は以前にも書いたとおり、脱原発であり、向こう20年くらいで原子力発電をじょじょに廃止して、高性能の天然ガス火力発電で間をつなぎ、次世代の発電設備をどんどん実用化していこうという考えを持っているのですが、でも今のマスコミや世間の九電を叩くやり方は納得できません。

 というのも、どうして九電側が子会社を使って推進派のための意見を述べさせたかを誰も解説しないからです。現時点での原発反対派は私のような保守系もいますが、その公聴会に積極的に意見を出していくのは、日本が嫌いな人たちが多数を占めていました。そのために、九電側もその対抗措置として子会社社員を使って拮抗するように推進メールを送らせたのです。

 これは、企業として日本国の電源開発においての普通の反応ではないですか?

 九電の子会社への推進メールを問題にするならば、反対派で日本の電力の安定供給を阻み経済を麻痺させて、弱体化させる勢力の存在はどうするのでしょう。

 脱原発というとすぐに福島瑞穂たちと一緒にされるのでとても不愉快なのですが、すぐに原発を停止して云々という話ではなく、将来的に廃止して原子力の平和利用なんてやめようということです。脱原発ですが、核武装論者でもあります。原子力発電と核武装の問題は一切関係がありませんし、今日本が持っているプルトニウムで十分に核武装は可能だし、高速増殖炉の実験炉で次々に出てくる核物質でどんどん核爆弾の原料は賄えます。

 話を元に戻します。どうして九電がこんなに叩かれなかればならないのでしょうか?九電の松尾会長は、日本会議福岡の会長に先日就任されたばかりです。ご存知のように日本会議といえばバリバリの保守系の団体であり、松尾会長も公の講演で日本人として日の丸国歌を大事にするのは当然のことだとはっきりおっしゃる方です。もうちょっと内輪の会では日教組が日本の教育をだめにしたとどうどうといわれます。

 そういう方が日本会議福岡の会長に就任されたときいてなるほどと思う反面、九電の現役の会長がこんな役引き受けていいの?と思っていました。すると、今回の俗に言うやらせメール事件です。受け取った子会社の社員が赤旗に持ち込んでこような騒ぎになっています。

 大企業が国策として推進し、反対勢力が組織的にイデオロギーで反対メールを打ってくることが十分に予想できるならば、これくらいの対応策をとるのは当たり前のことだと私は思います。原発反対のメールを打った人が明らかに一般の「市民」であり、その個人の思惑がその結果に出ているならば、九電側の組織的な対応は間違いですが、そうでなければ必要悪といってもおかしくないのではないでしょうか。

 そもそも「市民」といわれる人たちの正体はいったい何なのでしょう?

 だから九電の対応に目くじら立てて取り上げるメディアやその尻馬に乗る人たちはなんとなく胡散臭いと思いませんか。

 繰り返し言いますが、私は脱原発論者です。でも、急激な方向転換は震災からの復興、円高、政府の体たらくを考えるととても危険です。だから、緩やかになくしていけばいいのです。玄海原発の一番のもろさは朝鮮半島に一番近い場所にあるというテロの標的になることです。地震津波の心配は他の場所よりも圧倒的に少なく、きちんと管理されていると勤めている友人が言っています。

 九電の社員だって自分たちの家族を危険にさらしたくないのです。本当に危なければ自分たちが真っ先に逃げるでしょう。でも、彼らは原発の近くに住んでいます。

 菅直人お得意のパフォーマンスで玄海原発の現地を訪れようとしていたようですが、あまり効果がないと見て、速やかに電話だけで済ませました。小泉元首相は真似しても、自分のことはあまりまねしないようです。カイワレをバリバリ食べてパフォーマンスしていたにもかかわらずです。

 九電への風当たりの強さは政府への風当たりの強さを減らすいけにえのように思えてならないのは私だけでしょうか。