まるで中国外交官/民進党主席の訪日妨害か―馮寄台・台湾駐日大使の新聞投書に警戒を

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■新聞投書が仕事―日本に「親中」政策への支持を求め

台湾の駐日代表(大使に相当)である国民党の馮寄台氏の使命は、国民党政権の親中国(中国以傾斜政策)・反台湾(民進党批判)の政策に対する日本の支持を取り付けることにあるらしい。

同党の自画自賛の文章を書いては、せっせと日本国内の紙面(誌面)に投稿し、掲載されたら、嬉々としてコピーし、方々にばら撒く(郵送も)ということを繰り返しやっている。

民進党政権に派遣された許世諧前駐日代表は在任中、日本のメディアを通じて政敵である国民党を誹謗するようなことはしていない。それは一国の大使として当然のことだろう。ここに台湾人(許氏)と在台中国人(馮氏)の違いが表れているとい言ったら言い過ぎだろうか。

少なくともこの点に関し、在日台湾人の間では不満の声が大きい。

■止めてほしい日本人騙しの有害投稿

ヤクザの力を借りるばかりにヤクザの言いなりになるが如く、中共の力(台湾人に対する恫喝、利益誘導)を借りながら、民進党から政権を奪い取った国民党は、すでに中共の傀儡のようなものだ。従って「中共の傀儡」の新聞投書など中共の宣伝代行のようなものだ。

いずれにせよ、台湾の事情に疎い日本の一般国民の前にこうした有害な投書を読ませることには反対せざるを得ない。

そこで以上のような観点を踏まえながら、日本国民を欺く馮寄台氏の最新の投書を分析してみよう。

朝日新聞掲載の一文に事実捏造あり

朝日新聞(八月二十五日)に「私の視点」欄に載った「台湾と中国の関係 平和共存はアジアの利益」がそれである。

そこにおいて馮寄台氏は先ず、「現在の国際情勢の潮流はおおむね対立から話し合いへと向かっており、平和共存は国際社会共通の願望である」と前置きをしたのち、「とりわけ中国の政治と経済の実力が大幅に向上したいま、両岸関係(※台湾と中国の関係のこと)をいかに前向きに発展させていくかは台湾の生存と発展のみならず、日本と東アジアの平和と繁栄にも極めて大きな影響を持つ」とする。

そしてその上で、「だが、台湾の民進党前政権(2000年〜08年)は台湾独立を志向し、中国との交流を全面的に阻み、双方の関係はどん底に陥った」と民進党を批判し、台湾人の中国離れ(中国人の所謂台湾独立)志向を非難して見せるのだ。

だが私は馮寄台氏の事実捏造を明らかにするため、ここで一言言わなければならない。「交流を拒んだ」のは民進党政権ではなく中国の側であると。

■明らかに中国の側に立っての政敵批判

同政権は「一つの中国」(台湾は中国の一部)なる国共両党の虚構宣伝を虚構であるがゆえに受け入れず、台湾が中国とは無関係の主権国家であるとの真実を国際社会に示そうとしたため、中国が一方的に台湾との間で緊張を高めたというのが本当のところである。

悪いのは民進党ではなく中国なのである。このように明らかに中国の側に立ち、台湾人への誹謗宣伝を展開する馮寄台氏。かねがね思うことだが、やはり国民党、あるいはこの人物は事実上、中国の傀儡なのだろうか。

■台湾元外相が「中国の外交官か」と批判

そのことに関しては、台湾の陳唐山元外交部長(外相)も 批判の一文を書いている(原文は漢語)。

―――最近、馮寄台駐日代表は公式の身分を以って朝日新聞に発表した一文は台湾の民意を充分に反映させていないばかりか、台湾にダメージを与え、自ら国家の格を貶めようとするものだ。それでいながら国内に向けては台湾の国の格を守るなどと言っているのだから、国民の譴責を受けるべきであるし、元外相である私も、こうした乱現象には厳重なる糾弾を行わなければならない。

―――台湾の駐日代表でありながら、必ず中国の政治的実力の台頭の言及する宥和主義に満ちた立論に、この人物は中国の外交官なのか台湾の外交官なのかがわからなくなる。

私が言いたいのも、それである。

■黒を白と言いくるめる中国人の得意技

ではつづいて馮寄台氏の書く内容への、陳唐山氏の批判のコメントを細かく見てみよう。

馮寄台氏―――中国での台湾企業の年間総売上額は、おおよそ台湾の国内総生産額に匹敵するまでになった。にもかかわらず、民進党前政権は中国大陸での台湾人の権益を守ることができなかった。

陳唐山氏―――自信満々に台湾企業の中国との貿易総額が台湾の国内総生産額に近づいていると言っているが、こうした中国傾斜の根本的な失策を逆に自慢話にしようというのか。

馮寄台氏―――我々は中国と付き合う過程で台湾の核心的価値である『自由、民主、法治』を一刻も忘れることはない。「天安門事件」から22年となる今年も、馬総統は中国政府に人権重視を呼びかけ、拘束中のノーベル平和賞受賞者の劉暁波氏、芸術家の艾未未氏らを速やかに釈放するよう求めた。

陳唐山氏―――馬英九氏が中国に劉暁波氏、艾未未氏の釈放を要求したと言っているが、馬英九氏が中国の高圧統治に対して何も言えず、知らんふりをしているのは、すでに台湾ではよく知られていることだ。

陳唐山氏の指摘は正確だ。黒を白と言いくるめるのは、中国人の得意技ではある。

民進党は「アジア平和の敵」との宣伝を日本で

馮寄台氏―――台湾にとって最も肝要な政策は台湾の主権を堅持し国民の利益を守る一方で、相互の「対等、尊厳」を前提に中国との平和共存を推進していくことである。台湾と密接な関係を保ち、自由と民主主義の普遍的価値観を共有する日本は、両岸関係の改善を好ましく見ていることと確信している。

陳唐山氏―――文中、不断に中国と台湾が国民党の主動下で密接な関係となっていると強調するが、これは日本当局に対し、十月に蔡英文氏(※民進党主席で次期総統候補)が訪日した際、この人物と接触すればアジアの平和を損ねると暗示するものではないか。

何ということだ。いったいいかなる話で日本人を欺き、蔡英文との会見を中止させるつもりなのだろう。

■馮寄台氏の日本での言論は自国民の同意を得ていない

そして陳唐山氏は馮寄台氏、そしてそれを日本へ派遣した馬英九政権を次のように非難するのである。

―――馮寄台氏は国民の同意を得ることなく、日本の大手紙において民意の納得を得ていない文章を発布するばかりか、大々的に民進党の前政権を「鎖国」「両岸平和を破壊」「台湾独立を主張している」「台湾人の中国での権益を保護できない」と非難してきた。そこで聞きたいのは、「台湾独立の主張」がもし民意を反映したものであるなら、馮寄台氏は誰からの指示で、台独を主張する者を「アジアの平和の破壊者」と呼ぶのかということだ。

―――民進党は台湾の合法政党の一つだ。馮寄台氏は公職にありながら国外で政敵を攻撃するという個人的行為に及んでいるが、それは外交部や馬英九氏の指示によるものか。

■「中国の威」を借りて日本を欺く台湾大使

―――馬英九政権は台湾では「台湾を愛する」と大声で叫び、何かにつけ「中華民国」を口にし、最近はありもしない「九二年合意」を繰り返し強調するが、外国の前で中国問題を提起する際には投降姿勢を見せ、中国の威を借りながら日本に対し、「両岸の平和的発展に干渉するな」と求め、蔡英文氏の日本訪問の妨害を試みようとしている。

―――このような外交官は台湾に貢献していると言えるだろうか。それとも一つの党に私的に奉仕していると言うべきか。

―――最も憎むべきは、馮寄台氏は日本の大手紙である朝日新聞にこの手の主流民意に反した文章を発表しながら、コソコソとしてそのことを台湾人に知らせていないことだ。

とんでもない政権であり駐日大使である。実際にこうした日本に対する振る舞いが、台湾が持つ信頼感を大きく損ねているのである。

■なぜ「統一」の意思を日本人には隠して語らない

私にも一言言わせてもらうなら、馮寄台氏は馬英九政権が「中国での台湾の権益を守り、相互往来のルールを策定するため、『統一せず、独立せず、武力行使せず』を原則に中国との協議を始めた」と強調しているが、そもそも台湾は中国から独立した状態にあるのに、わざわざ「独立せず」とするのはどういうことか。それから「統一」のためなら武力行使も辞さない姿勢の中国の前で「武力行使せず」と誓うのはどういうことか。

これは要するに、「統一は拒否しない」「武力攻撃を受ければ降伏する」ということではないのか。

なお馬英九政権が日ごろから「不統、不独、不武」とともに強調してやまない「九二年合意」について、馮寄台氏はここで触れていないのは、台湾人から見れば奇妙だろう。

「九二年合意」(国民党が書き上げたフィクションだが)とはつまるところ、台湾側も「一つの中国」を認めるというものだから、そのようなものを日本向けに取り上げれば、中国統一を警戒する日本官民の支持を失ってしまうため、敢て言及を避けたに違いない。

■何が「関係改善」かー日本人騙しに自信満々

「台湾と密接な関係を保ち、自由と民主主義の普遍的価値観を共有する日本は、両岸関係の改善を好ましく見ていることと確信している」とこの投書を結んだ馮寄台氏だが、 「両岸関係の改善」とは「台湾の投降」を意味するのではないのか。

日本でこれを「好ましい」と思うのは親中国の人間か、国民党の虚構宣伝に騙される被害者のどちらかではないだろうか。

「確信している」などと馮寄台氏は、自身が従来ばら撒いてきたウソの政治宣伝に、よほど自信があるらしい。
安倍晋三氏が台湾訪問/民進党主席と「対中問題」で意見交換
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■動画

昨9月6日、台北で行われた安倍晋三元首相と蔡英文民進党主席の会見

http://p.tl/xLr3 

この二人がそれぞれの国のリーダーになれば、中国の膨張に有効に対抗できるのではないか。メルマガ「台湾は日本の生命線!」から転載

メルマガ「台湾は日本の生命線!」から転載