北2400万貧民の行く先

金正日というタガが外れて北朝鮮は動揺せざるを得ない。3代目の金正恩
を「偉大なる後継者」と言ったところで、何の実績もない20代のガキに
誰がついていくだろう。北は崩壊するのではないか。

1945年、日本というタガが無くなった朝鮮は南北に分かれた。極真会と
いう空手の団体は創設者の大山倍達、韓国名・崔永宜が亡くなると分裂
した。

<死亡直前の1994(平成6)年4月19日に立会証人5人の下で松井章圭
後継者とする旨等とした危急時遺言が作成されたが、公証役人がいなく、
妻の智弥子に知らされていなかったことから大きな確認裁判へと発展。

大山が遺言者として遺言事項につき自由な判断のもとに内容を決定した
ものか否かにつき疑問が強く残ると判断されて、1995年に却下された。

大山は極真会館の門弟にとっては何者にも代え得ない絶対無比のカリス
マであった。それゆえにの大山の死は、上位クラスの指導者や大山の遺
族などの間で“極真”の主導権や方向性・商標、そして大山の後継者の
座を巡っての数多くの諍いが繰り広げられる直接の引き金となった。

かくて、大山が作り上げた極真空手は内紛と分裂、さらには大山の“極
真”の正当後継を自認する団体の乱立で現在に至るまで揺れ続けている
>(ウィキ)

朝鮮系の団体はどうもカリスマがいなくなると分裂しやすいようで、S
学会も近くそうなりそうだ。

日本の場合は一旦分裂しても再びまとまる。秀吉というカリスマが居な
くなって関ヶ原大坂の陣という合戦になっても家康のもとに戦乱に終
止符が打たれて、幕藩体制でひとつにまとまった。

幕府のタガが弱まって起きた幕末の混乱も王政復古の明治維新でまとま
った。

民主主義は選挙というジャンケンポンで後継者を決めるが、北朝鮮には
民主主義はないから、力任せの権力闘争で内紛、内乱、やがては四分五
裂の亡国になるか、軍事同盟を結んでいる中共宗主国としてまとまる
しかないのではないか。いずれにせよ事実上の北の解体だ。

韓国が北を併合する、あるいは南北を統一することはありえないだろう。
2400万人の経済難民を5000万人の韓国が受け入れたら韓国経済は破綻し
かねない。韓国人2人で北の難民1人を支えるというのは現実的ではない。
13億人の中共なら50人で難民1人を支えるから余裕で吸収できる。

1990年に西ドイツは東ドイツ編入・併合したが、人口は東の1600万人
に対し西は6300万人。西ドイツ人4人で東の1人を支えたことになるが、
それでもドイツ経済は永らく疲弊した。毎年8〜9兆円、20年間で150兆円
ほどもかかるのだから統一利益よりも統一損失のほうが大きいという論
もある。

それでも韓国は北朝鮮と統一すべきだという主張はある。

<統一費用などあらゆる問題があるが、歴史はドイツの統一が分断より
良かったことを雄弁に語る。統一後ドイツはヨーロッパで最も強力な経
済大国に浮上した。

エコノミスト誌は2010年3月、「ヨーロッパのエンジン」という題名でこ
う報じた。

「一時、ドイツは“ヨーロッパの病人”と呼ばれた。しかし、今は“ド
イツの奇跡”と呼ばれる。赤字に苦しむ南ヨーロッパの国々と違って、
財政赤字の規模3.3%。ドイツがヨーロッパを護る大きな存在になったこ
とを示す。実際、EUギリシャへの救済金融(1100億ユーロ)の時、最
も多い28%を負担した国家がドイツだった」

ドイツの統一を導き出したコール首相は備忘録でこう書いている。

「1990年に約1150億マルクの統一費用を使えば1994年まで統一を完成で
きると期待した。ところが1996年まで7200億マルクを使った。しかし、
このように多くの費用が必要なことを事前に分かったとしても統一は推
進されただろう。統一の遅延による費用がもっと大きかったはずだから
だ」

ゴールドマンサックスは2008年9月、「統一韓国の対北リスクについて」
という報告書の中でこう予測した。

「韓国が統一されれば、30〜40年内に国内総生産がフランスとドイツ、
さらに日本を追い越すだろう」

大韓民国の前には今、費用を恐れる分断・没落か、費用という迷信を克
服した統一・成就かという二つの選択がある」(金成?「現代コリア」)

東西統一前の西ドイツは一流の経済大国だったが、ウォン安の韓国はそ
れとは程遠い。夜郎自大で夢を見るのはいいけれど、2400万もの生活保
護者、貧者の群が怒涛のごとく南へ押し寄せるという現実を見ることも
必要だ。南北統一で韓国も没落することは間違いない。

韓国が自爆するのは勝手だが、玉突きで日本にも難民が来るだろうから
近所迷惑だ。軽挙妄動することなく、くれぐれも自重をお願いしたい。

平井 修一

メルマガ「頂門の一針」から転載